社会福祉・セーフティネットって大事だ

海外に来て、国は何もしてくれないので自分でなんとかするしかない、という状況になり、 ようやく福祉のありがたさに気づいた。

日本であれば、なにかあれば病院に行けばよい、とか、近くの市役所行けばよい、等々、様々な気軽な手段を取れるけれど、 海外だと頼れるのは大使館ぐらいのもので、後は自己責任となる。 なかなか心がヒリヒリする。

加えて、シンガポールは医療費が高い。 国民皆保険制度がないため、自分で健康保険に入るか、駐在の人は会社に頼るかしなければならない。 シンガポールの公的な病院だと国民か外国人かで費用が異なる、ということもある。 ちょっと喉を経鼻内視鏡で見てもらうだけで、7万円。 ちょっと眼科で検査して薬をもらうだけで、5万円。 日本の無保険の場合の5倍くらいかかる。 また、救急車も呼びにくい。救急車を呼んで、実は緊急の病状でなければ$165かかる。

なにもかもに費用がかかるため、もしお金がなくなったら、もし健康を損なったら、生きられないな、という感覚が強くある。 日本にいてこういうヒリヒリした感覚を持つことはなかった。 なにかあってもとりあえず生きていけるだろうという安心感があった。 その理由の一つは、公的機関や医療がしっかりしているからということだと思う。

国民であるという贔屓目もあるけれど、心から安心して過ごせる日本という国はなんだかんだですごく過ごしやすくよい国だなと思う。 ただ、これがもし国が傾いていけばどうなるかはわからない。このまま壊れていって欲しくない。